rina ishitani

文 - ふみ -

2023/3/19

「物として扱っているようで嫌だった」と呟いた彼に

「そういうもんだよ」と私は答えた。「そこまでの話じゃなくても、女を物として扱うのは生活に染み付いたごく普通なことだよ」と。

久々に高校の同級生と会って、日常の疑問から始まるジェンダーフェミニズム?の話を初めのうちしていた。会ったときは真昼だったというのに、話していたらすっかり暗い時間帯になった。

帰り自転車を漕ぎながらぼんやりと冒頭の会話を思い出していた。

 

『…………、なんてことを言ってしまったんだ。』

 

もしそこに私がもう一人いたらきっと

「はぁ!?そういうもんってどういうこと??!何それまじで意味が分からん。え?え?多数が正義な訳でもないのに、そういうもんって一体全体どういうもんだよ!!」

といった具合に怒って私に言い返しただろう。

歪な形の中にいる人にとってはその歪さが当たり前だ。加えて自分を守るために積極的に当たり前と思うようにする。

 

 

 

私は「物として扱うこと」を肯定していた。受け入れていた

 

 

2023/4/8