rina ishitani

文 - ふみ -

過眠症のはじめて

2015年冬 中学3年

 

数学の授業。演習の時間。

問題を解いていると睡魔が来たため、

机にふせって寝ていた。

 

どれくらいか経って、少し意識が浮上したとき

他の子達は粗方問題が解けたのか、席の近くから話し声が聞こえてきた。

 

  りなちゃんって真面目そうなのに、なんか意外と寝たりするんだね

 

3,4人でのそんなような会話だった。

 

寝ることの、どこが不真面目なのだろう?

 

 

 

寝ぼけた身体でそんな疑問を浮かべつつ

再び意識は落ちていった。

 

 

 

 

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過眠症は主に高校生の頃に出た症状。しかし中学でも高校でも、終始周りの言っている意味が分からなかった。

理解する気はなかった。周りの言葉も。自分のことも。

それほどまでに疲れていたとも言えるかもしれない、相手を見る余裕と気力はなかった。高3にもなれば薄々気づき始める部分もあったが、やはり自分を信じることも、自身を大切にすることも出来なかった。

結果盲目に我慢する手段を選んだ。一度選べば、もうただそれに固執するばかりだった。

私を取り巻く環境が変わりつつあっても、私の選択は変わらないままだったのだ。

2023/7/18