rina ishitani

文 - ふみ -

頭痛のはじめて

2012年 小学6年

 

母方の実家で、一つ下の従弟と叔母がリビングの机にいる。学校の宿題を母親に教えてもらいながら取り組んでいるようだ。親戚が囲んで食事ができるほどの広い机に、コンパクトなスタンドの明かりを乗せ、ノートやらドリルやらを広げている。

勉強が行き詰まっているのか、従弟はしかめたような顔をしている。

「頭が痛い」

と言う従弟。それを聞いて従弟に頭のマッサージをする叔母の様子を、通りすがりに見る。

 

『私も頭が痛いのだけどなぁ』

ぼんやりとそんなことを思う。

 

 

 

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おそらく頭痛が一番長い付き合い。始まりは覚えてないけど、この記憶からして少なくとも小6の時には既にあったようだ。

頭痛は大人がよく持つイメージだった。小6の自分が言ったところでまともに取り合ってくれないだろうと思い、あまり人に伝えることなく自分の中で思考を完結することが多かった。

2023/3/27